ある女性の不倫物語



この物語はメールで送られてきた一人の女性の不倫物語です。



はじめまして、私は昨日5ヶ月という私にとっては短くて長かった不倫に
終止符を打ちました。
彼の別れの言葉を聞くこともなく、こちらからの一方的な別れです。



付き合っている時、別れの時は「君とは綺麗に別れたいな」と言っていました。
だから、私らしく恨みつらみを言うこともなく、綺麗にお別れをしたつもりです。


彼との出会いは、私が開設しているホームページの中からはじまりました。
私には主人がいて、彼にももちろん奥さんも子供さんもいました。


オフ会ではじめて会い、その後いろいろなことがあり、私達は恋に落ちました。
秘密のチャットを作り、逢えない時は、毎日そこでデートをしました。
字だけのデートでしたが、独身時代のそれは懐かしい純粋な頃の
ドキドキするような感情を、彼は思い出させてくれました。



私にもこういう気持ちがまだあったんだと、主婦から女へと変われる時でした。
彼の自宅は会社から遠く、飲みに行った時や仕事で遅くなった時は、カプセルで
泊まってたのですが、知り合い当初は、どんなに遅くなってもダッシュで家に帰り
私とネットでデートをしてくれました。



そんな彼のひたむきさがとても好きで、私はどんどん彼にハマっていきました。
私の主人のことを取りあえずの夫という意味で 『取』 と呼び、彼の奥さんの事は
仮の妻ということで 『仮』 と呼んでいました。こういう呼び名をつけたのは
奥さんと言う言葉を使うのも、聞くのも、当然のことながら嫌だったからです。


結婚して、はじめて他の男性を好きになり、愛し、おぼれた私です。
悪いこととは分かっていても、どうしようもなく止まらない気持ちを押さえることは
その時はできなかったように思います。



しばらくして、2人で部屋を借りました。ずっと側に居たかったからです。
その部屋はお互い『巣』と呼び、半分同棲のような生活がはじまりました。
壁には2人の写真を沢山飾り、どこを見てもお互いが見えるようにしました。
しかし、そんな生活も長くは続きませんでした。


私は次第に、独占欲のかたまりになっていきました。
不倫にはあってはならないことです。独占欲を満たそうとすると
必ず別れが
やってくる。 少なくとも私達の場合はそうでした。
そんなことは分かっていたことなんですが、好きだから少しでも多く
逢っていたいと、そう思う気持ちが、彼の事を束縛してしまったようです。



そんな時、彼の奥さんに2人が写っている写真を見られてしまいました。
その時の、彼のとった行動は『巣』ではなく、家にまっすぐ帰ることでした。
今まで2人で過ごした楽しい日々が、嘘ではなかったという証に
『巣』に来てほしかった。彼のとった行動は、女として不安で辛かった。
彼の気持ちは十分過ぎるほど分かってました。でもほとぼりが冷めるまでの間が
私には待てなかった。 どうしても待てなかった・・・



1日も逢えないのは辛いし、耐えられそうに無いから別れましょうと言いましたが
「俺は何も変わっていない、今まで通りでいこう」と言い、最近ではこんな会話の
繰り返しだったように思います。


今思えば、私はただ自分の欲求だけを満たそうとしていたのかもしれません。
まわりのことは何も考えず、彼の気持ちも考えず、彼の家族の事も
彼の苦しみも考えず、ただ自分の欲求だけを満たそうとしたんです。


もし、私から別れを言わなければ、この先ずっと彼と一緒にいられたのかも
しれません。 でも、女としてどうしてももう限界だったんです。






ネット中で出会い、愛を告白し、愛を育て、結局はじめに出会った
ネットの
中での別れとなりましたが、これで良かったんだと思います。
彼もきっとそう思っているに違いありません。
だって・・・彼は私のことは何でもお見通しですから。何も言わなくても・・・


私の選択も、彼の選択も、何も間違ってはいなかった。そう思える時まで
今しばらくの間、私にできる最後の彼への「贈り物」として、はじめて彼が私を
見たホームページの中で出来る事を考えました。




<ひまわり>という映画を知っていらっしゃるでしょうか?

ひとりの男性をただひたすら想い、いつまでも待ちつづけるという
女性の物語を綴った映画です。私もこんな女になりたかった。
そう、彼がいつも望んでいたこんな可愛らしい女性に。


私には出来なかった待つという女になりたかっという思いを込めて
ホームページのトップから、彼にこの曲を贈ろうと思います。ではこれで。



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今、ネットのどこかで、彼への「贈り物」は届いているでしょうか。
ネット恋愛は間違い無く存在します。

普通の恋愛も不倫も、ひとりの人を愛しつづけることは難しいことです。
それが永遠ともなればなおさら・・・

彼女がもし、今何かを後悔しているとするならば、それは愛してはいけない人を
愛したことではなく、待てなかったこと、このことではないでしょうか。

不倫というものはそういうもの。

いついかなる時も、相手の心を思いやる大切さを皆さんも忘れないで
それぞれの人生を歩んでいってください。
時を無駄にしないで、自分を、愛する人を大切にする気持ちを忘れないで。

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(映画、ひまわりのBGMはこのページに流れております)


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