★★★ 終わりなき 地獄の激痛物語 ★★★


 1998年〜  子宮いりますか?




子宮外妊娠(謎)の手術から1年間が経った。

最初に痛みを感じてからすでに4年の月日が流れたことになる。

 
手術したのに月経痛は相変わらずで、年々それは酷くなるようであった。

この頃は激痛ではなく、超ウルトラ激痛以上以上異常のものになっていた。

そして、月経痛ということで病院に通い、飲み薬からまた座薬に変えていった。

 

この時の私は、手術時も含め、何度も病院で検査を受けて来たので

病気ではないという確信があり(とんでもない勘違いだったのだが)

これは月経痛であって、世の中の女性がすべて経験していることであり

我慢することが当たり前なのだと自分に一生懸命言い聞かせ超ウルトラ激痛に耐えた。

そして、色んな月経痛を和らげる方法だけを考えていた。

あるとあらゆる月経痛に関する書物を読みあさった。

骨盤の歪み、冷え、食事、悪魔払い、宗教、いろんな方法を試しみた。

整体に通い、歪みも治した。冷えは特殊な日中入浴で治した。食事、お茶までも変えた。

体に塩をふりかけ熱湯風呂に入り悪魔も消した。意味不明な宗教の本も毎夜読んだ。

でもまったく治らない。軽くもならない。

 

そんな中、ある一冊の漢方の本に釘付けになった。

そうだ、漢方薬を飲んでみよう!!!

西洋医学は200年とちょっと、東洋医学は4000年の歴史がある。

西洋医学で治らないなら東洋医学を取り入れてみよう。

しかし、婦人科を今すぐ止める訳にはいかなかった。

漢方薬は長い時間をかけて効果が出るものであって、今痛み止めの座薬を取ったら

私はたぶん痛みで神経が侵され死んでしまうだろうと考えた。

 

手っ取り早い方法は、漢方薬も扱っている婦人科の病院を探すのが一番。

その病院は簡単に見つけることができた。

 

この病院は、今でも通っているところなので名前は伏せておこうと思う。

有名な病院で、誰もが知っている病院です。N病院として今後書いていきます。

N病院は、普通の個人病院から紹介状をもらって診てもらうような場合でない限り

あまり行こうとは思えない病院です。大病院で混むという意味である。

 

この頃の私は、痛みで精神がボロボロになっていたと思う。

さっきもちょっと書いた訳のわからない宗教や悪魔払い、風水<これは今も続けている>

痛みというのは、本当に人間の心を変えてしまう。その当時もし私に頑張りがなかったら

きっと今の私は存在しないであろうとも思うほどのものだった。

 

なので、風水奇問とう甲盤というのを使い、いくつかで出てきた病院の吉、凶を見て診察に

向かうことにした。
前の私なら家から一番近いところを選んでいたでしょう。

でもこの頃は
神経ボロボロ。 思考回路ショート寸前。

 

簡単に説明します。風水奇問とう甲とは、聖王、黄帝、秦の始皇帝、周の大公望などの歴史的な大王の
手を経て、人を操られるという点で、世界唯一の運命学として帝王の学問と呼ばれ、一般人が盗用すけば
斬形という極刑に処してその秘密はかたくなに守り続けていた。しかし、現在は、現代的要素も加え
日常生活において誰にでも簡単に使える様にしたものである。

 

幸か不幸か、この選択が、私のすべての今までの痛みを・・・

そしてその原因を解いてくれることとなる。

私がこの病院の門をくぐったのはちょうど今から8年前になる。

風水のお陰かそうでないかは分からないが、この婦人科ではまず簡単には

診てもらえないというくらいのDrとめぐり会えた。

いつものように婦人科の一通りの検査をした。そのDrはすぐに何かが分かったような声?唸り?

ちゃんとした声なのかも分からないようなものが
耳に入ってきた。

内診を受けながら、やっぱり何かがこの痛みの原因なんだと
その時私は思った。

 

んーちょっと気になるのでいくつか検査をしてみましょうと先生はおっしゃった。

その場でした検査は、内診<子宮の大きさや厚さ、痛みの反応>

膣エコー、腹部エコー<超音波>スメア<細胞診・子宮頸部>である。

私はこの時、普通の人間では考えられない態度をとってしまった。


先生、ほんとうに気になるんですか?私すごく嬉しいです。

私はアホか?半分嬉し泣きしていたような記憶もある。今までどこの病院で診てもらっても

どこも異常がなかった。でも明らかに原因不明の出血と痛みが猛烈にあった。

それが不安となり呼吸器系の病気になり、胃の病気になり、精神病までも引き起こしていたのである。

 

医師の気になるの一言は、何か恐ろしい病気の前触れかも?という不安をもかき消すくらいの

ものであった。
そしてすぐその場で疑いのある病名を告げてもらえた。

やはり私が4年前に思っていた通り、内膜症類の病気であった。


病名 「子宮腺筋症」

医師は事細かくノートに書いて説明してくれた。私はニヤニヤの笑顔でそれを聞いていた。

嬉しかった。本当に嬉しかった。私は痛みに弱い人間ではなかったんだ。

この4年間 どれだけの人間に馬鹿にされたか、月経痛くらいで寝込んでと・・・。

 

医師は、ニヤニヤした笑顔で聞く私に対してきっと変な患者だと思ったに違いない。

続いて腹部エコーの結果を聞いた。これは検査をしながら説明を聞けた。

月経痛がひどいのが特徴で、過多出血、不正出血、貧血不妊などの症状がある。

特にこの腺筋症の痛みは、進行すると気絶するほどの痛みがあり、出産経験を

した人が、陣痛の10倍痛いと言ったという報告がある。

ずっとほっておくと、最終的に劇薬を使わなくてはいけなくなる程の痛みに襲われます。

出産の痛みは個人差があるが、女が命がけで行なうもの。

男がこの痛みを同じように経験すると、痛みで死んでしまうのではないかとも

昔から言われている。鼻からスイカ出すようなものだもの(笑)

 

話を戻そう。この時点で、一生治らないものだと言う事は分かった。

今の医学では、完治は子宮全摘手術しかなかった。結婚も子供産むことももう出来ない。

結婚と子供が産めないという事は、恋愛さえも出来ないということにつながるなぁ なとど

考えてぼーっとしていた。

 

でも死ぬような病気ではない。結婚も子供も諦めたからといって人生すべてが終わったわけではない。

私は馬鹿か?絶望だ〜 なんてまったく思わなかったのである。

私よりも大変な病気の人は沢山いる。結婚も子供も出来なくなる人生なんてなんでもないことである。 

と、その時は確かにそう思っていた私でした。

それよりもやっぱり原因が分かったことの方が嬉しくて嬉しくてたまらなかった。

 


医師は、取り合えず妊娠して子供を産むことが一番、それがこの病気の治療に

なると言った。 はぁ??? 私の、このはぁ?は、昔この病気を疑った時に読みあさった

本の中にも書いてあった言葉だが、そんなこと無理でしょう。

先生、それはこの場しのぎの慰めではないのですか?と言いたかったが

私は素直にはい!と答えておいた。 でも子供? そんなのすぐには無理でしょう・・・。

今の現状絶対無理な話であった。 


そして医師は続いてこんなことを私に言った。

今はかなりの苦痛があると思うので、まずホルモン治療をして症状を軽くしましょう。

(卵巣機能を抑えて月経をとめる薬)もちろん私は、はい!と答えた。

後日予約をとってまた来てください。今日やった検査の結果がすぐに出ないものも

あるのでと医師は言った。もちろん はい!です。

そして、リュープリンという月経を止めてしまう注射を受けて帰った。

説明します。子宮内膜症、腺筋症の一般的治療(治療といっても完治はしない)にホルモン薬を使う。
@偽妊娠療法 Aダナゾール療法 BGnRHアゴニスト(GnRHアナログ)療法があるが。私は一番強力な
Bにした。B
中には3種類あり。(1)スプレキュア=点鼻薬で1日に3回左右の鼻に1噴霧ずつ計6噴霧。
(2)ナサニール=点鼻薬のみで、スプレキュア点鼻薬との違いは1日に2回(朝、晩)1噴霧ずつ計2回。
(3)リュープリ=注射薬。4週間に1回通院して注射を打つ。一度に作用するのではなく徐々に体内に作用
するものでエストロゲン(女性ホルモン)を下げる力がスプレキュアより強力なので副作用も強く出る。
いずれにしても長く使えば、骨がボロボロになる劇薬たちばかり。現在は、低用量ピルの服用も可能である。



リュープリンという月経を止めてしまう注射をはじめてから数日後・・・

ものすごい副作用が私を襲った。女の証明を止めてしまったので、女性の閉経後に

起きるという更年期障害の症状に似たものが私を苦しめた。

この副作用は前もって聞いてはいたが、想像以上のものであった。


寒いかと思ったら、次の瞬間南国にいるかのように暑くなり汗が吹き出す。

すぐに着替えないとまわりが驚くことになる。着替えるとまた滝のような汗が出る。

そしてまた北極にいるような寒気も襲う。人の顔を見ただけで顔が真っ赤になる。


一番辛かったのは、外に出られなくなってしまったこと。

注射を打って買い物に行った時にそれは起こった。

レジにならんでいると、まるで真っ裸になったような妙な恥ずかしさに襲われた。

私の顔はみるみる真っ赤。滝のような汗、後に並んでいた人がそれに気付いた。

なぜ気付いたか、私の薄着の服が汗で透き通っていて全身丸見え状態だったのだ。

私は買おうとしたものをレジの横に置いて車へと逃げた。

 


そして毎日起こる頭痛、めまい、寒い、暑い、微熱。死にたくなるうつ病のような症状も出た。

家の中では裸になったり毛布を着てガタガタ震ったり、いきなり大きな声で

歌を唄い出したり笑い出したり泣いたり・・・とても忙しくなってしまった。

でもあの痛みに比べたら
、こんな副作用は天国である。

 

そして、私はその日、先日受けた他の検査の結果を聞きに病院に行った。

残念なことに、先日診てもらった先生はいなかった。そしてもう二度と会うこともなかった。

その医師は、私が診察室の椅子に座ったのを知っているにも関わらず

しばらく黙ってカルテを見ていた。

唸ってばかりいる。私より先生の体を心配した。 なに?なんかあったの?

暫くすると、早く結果を聞かせてよという気持ちでいっぱいになった。

そして先生は静かに、また力強く確かにこう言った。

 


子宮いりますか? ???なに?またしても?マークが飛び交う。

腺筋症の治療はじめたばかりじゃないの。なんで取るの?なになに、なんなの?

癌検査<細胞診スメア>の結果なんですが、擬陽性が出ました。

(正常範囲の±は擬陽性、+は陽性、−は陰性)念の為もう一度検査しますが

子宮いりますか? 医師はまた聞いた。

何度も聞かないでよ、いるって。子供欲しいし、何の為にこんな副作用を我慢してると

思ってんのよと正直思った。 
いります。まだ若いので取りたくありません。と答えた。

たぶん普通の女なら私って癌なの?死ぬ?と思うであろう。

でも私は、何故かその時冷静だった。 と思った。病院にいる間は・・・。

 

家に帰って玄関を開け靴を脱いだ瞬間、私、癌?という恐怖に慄いた。

勘弁してよ、どこまで私を苦しめたら気がすむの?神様助けて下さい。

神様、神様、神様、いるなら私を助けて下さい。

私はまだ子供を持つ喜びを知りません。産む辛さも知りません。

だから神様、もし本当にいるなら証拠として私を助けて下さい。

と真剣に神棚に向かって願う私がそこにいた。

 


そしてまた検査を受けた。また擬陽性であった。コルポ検査をしましょう。

異型の部分を切り取って詳しく検査をしてみましょう。

前ガン状態は間違いありませんが、癌が進行している場合早く手術をした方が

いいですから。と医師は言った。

私はぼーっとその話を聞いていた。ぼーっと聞いていたのでコルポ検査前の詳しい話を聞き逃してしまった。

幸い、看護婦さんがそれを察して後で丁寧に教えてくれた。

でも耳には入ってこなかった。そして看護婦さんは検査前の注意というメモをくれた。

メモがあるなら説明は良かったのに・・・
早く帰して欲しかったのに。

でもきっと病院の決まりだったのでしょう・・・ ありがとう。看護婦さん。

 

説明します。コルポ検査とは、コルポスコープという拡大鏡のような機械で、子宮頸部粘膜
表面を拡大して、細かい部分を観察し、場合によっては切り取り、より詳しく調べます。コルポ診と呼ぶ。


つづく・・・